寮で捕まりまして

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「あぁ、これは顔洗っててん。服濡れるの嫌やから脱いだんや~」 そう言って、顔から少し垂れた水をタオルで拭く望月は、なんと言うか…エロい。 この人、なんか存在がエロいな…と思いつつ、小夏は目線をさ迷わせ、結局見ないように俯いた。 「そ、そうですか」 「そうそう。なっつん俺のことは亮って呼んでぇや~因みに特進科二年~、敬語は無し~」 「なっつん!?え、望月「亮」…亮先輩、寮長って学生なんで「敬語無し」…学生?」 勝手にアダ名を付けて、亮は言葉を遮る。小夏が敬語を使わずに話すと納得したように頷いた。 「うん。他んとこは知らへんけど閏月(ウチ)はそうなっとる~。後、寮長はもう一人おるで~」 「…東棟のか?」 「ちゃう、西棟(ここ)の~東は寮長おらへんで~」 東は寮長がいないのか…まぁ、私には関係無いがな。 「…へぇ…その方はどこに?」 「今、見回りと言う名の物色中や~ここにはおらん。まぁ、挨拶はせんでええで~俺が言うといたるわ~」 「物色?…はあ…では、お願いします。じゃぁ、俺はもう部屋に行って良いのか?」 物色ってなんだ?それより挨拶ってこれだけで良いのか?…でも特に何もないしな。 小夏は心の中で自問自答すると、亮の返事を待った。
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