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「をぉ…矢張広い」
大体の予想はついていたが、矢張部屋も広く豪華だった。
靴を脱いで部屋に上がると、一人で使うには広すぎるリビングに、見渡せばL字型のソファが一つに机と大型液晶テレビ。
すぐ右にキッチン、その隣にバスルーム。
「私の部屋は右だったか?」
二つ並ぶ扉の右側を開けると中には大量の段ボール。…ん?自分は段ボール三つしか使っていないが…。
近付いて見てみると、手前の一箱に紙が挟んである。小夏へ、と書いてある手紙を手に取ると内容を読んだ。この字は…母からのようだ。
『小夏へ。この手紙を読んでるってことは大量の段ボールをもう見たわね?あれは、どうせ服が少ないであろう愛娘の為に私が特別にデザインしたものよ♪』
「…てことは、この段ボール全てが服…」
積み重なっている山を見て少し目眩がした。こんなに着ないし…責めて三分の一に減らしてほしい。
『段ボールAは契約しといた携帯とコルセット型サラシが入ってるわ、直ぐに開けなさい☆携帯には予め必要そうな番号入れといたから!落ち着いたら連絡すること!』
「段ボールA?」
山を崩してそれらしき物を探すと、一つだけデカでかと赤いマジックで“A”と書かれている段ボールがあった。
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