658人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
開けてみると中には書いてあった通り、携帯とコルセットのような形をした白いサラシが入っていた。
「連絡いれろったって…使い方が分からん」
初めて見る携帯を手に、以外と軽い。なんて思いながら手紙の続きを読んだ。
『最後に絶対女だってバレないようにね?退学になったら、お父さんの会社が破産しちゃうから☆新しい学校生活を楽しんでね。小春』
「…………」
会社が破産って何事?…そして何だ、この軽いノリ…破産するんじゃないのか?
それより何故女とバレるのと退学が関係あるんだ?そもそも男装の意味が分からん。
いろんな疑問とツッコミが浮かんでは消え…暫く手紙を開いたまま固まっていた小夏は額に手を当てて頭を軽く振ると、拳を握って気合いを入れ直した。
(…深く考えるのは止そう)
考え込むと頭が痛くなりそうなので、この事は頭の隅に追いやることにした。
「はぁ…疲れた」
一体今日は一日にして何れだけ溜め息をついたんだろう…?
お腹が空いた小夏は、片付けを後にして食事をとろうとリビングへ移動した。
最初のコメントを投稿しよう!