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「…なんだと?」
自分宛に忙しい両親から届いた手紙をもう一度よく読み直す。
しかし、内容は変わらない。何度読んでも要は明日には迎えが来るから転校してね☆と書いてある…。
「ふっざけんなぁぁあ!!!」
グシャッ
手紙を握り潰して、足音を荒上げながら急いで祖父母のいる部屋へ向かった。
「一週間振りに手紙送ってきたと思ったら一体、何考えてるんだあの二人は!」
申し遅れた、私の名前は楠小夏(クスノキ コナツ)これでも性別上は歴とした女だ。
冒頭から騒がしくて悪いが、自分の馬鹿両親が突然変な手紙を寄越したのでな。…勘弁してくれ。
「じぃ!ばぁ!この手紙知ってる!?」
バンッ
居間で和んでいた祖父母の前の机に、広げた手紙を叩きつけながら鼻息荒く話し掛ける。当然ながら手紙はグチャグチャだ。
「小夏ー…もう少し静かに出来んのか?」
「ふふ、元気で宜しいじゃありませんか」
「あの二人がふざけたこと書いてきたんだ!!嘘だよな!?何か聞いてるか?」
小煩く言うじぃとそれをやんわり窘めるばぁを無視して、話を進めた。
二人はどれどれと手紙を覗き込む。
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