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「みみみみみ、峰岸っ!!何故お前がここにいるっ!!?」
慌ててベットの上に起き上がった小夏は、ふるふると震える指でまだ寝惚けている相手を指差した。
「んー…おはょー…」
「あぁ、おはよう。……じゃなくて、質問に答えろっ!」
まだ寝惚けているのか、峰岸はうつらうつらと船を漕いでいる。
「…ここにいる…ぅーん…寝るため…?」
「………何故ここで寝た?…」
返ってきた的外れな答えに小夏はめげず、質問をする。
「…人肌が恋しかったから…?」
あぁ、そっちね。みたいな顔をした峰岸は人差し指を立て、自分の顎に当てて小首を傾げる。
か、可愛いしっ何故疑問系!?と思いながらも、こんなやり取り前にもやったな…と小夏は脱力した。
(はぁ…取り敢えず鬘とコンタクト付けたままで良かっ…!!)
グイッ
「わぁっ!!?」
腕に絡み付いた何かに引っ張られ、急に目の前の景色が変わる。
小夏がドサッとベットに倒れ込むと、体に何か…ひんやりとした峰岸の手足が絡み付いた。
ぎゅっ
「柔らかくて暖かい…」
目の前にはまた綺麗な顔があり。抱き枕のように、腕枕と腰に回る手。足を乗っけられて小夏は一旦思考停止。
その間にも峰岸は平然にスウスウと寝息を立てている。
「……だだだ、だき、抱き……っ!!寝るなぁぁぁああっ!!!」
ドンッ
ゴテン!
「……痛い…」
状況が分からずに、顔をしかめて呟いた峰岸を見下ろすのは、ベットから突き落としたままの格好で固まる、顔を耳まで真っ赤にした小夏だった。
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