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「ん?君は………初めましてだねぇ~っ♪君が噂の転校生さんかにゃぁ?」
ゾクッ
小夏と目がバッチリとあった男の人は、ウィンクしながら小夏に話しかけてきた。
その仕草と独特の話し方から、小夏の体には悪寒が走る。
そんな小夏を他所に、峰岸から奪うようにして小夏の腕に手を絡めてきた男の人は、ニコニコ…いや、ニマニマと笑っている。
い、嫌な予感が…
「…湯月、触るな」
「えぇ~っ、シュウちゃんったら狡い~。俺も転校生さんと仲良くしたいのにぃ~!…ねぇっ?駒宮夏樹くん♪」
湯月と呼ばれた男の人は峰岸に睨まれながらも、小夏の腕を離さない。…二人の間にバチバチと見えない日火花が散る。
「!何で名前…」
自分の名前を知っていたことに驚いた小夏の声は、またしても遮られた。
「何?あいつー…キモくねー?」
「嫌ぁ~っ!シュウ様が汚れるーっ!!」
「あれが転校生…?オタクかよ、幻滅…」
「朔も触ると汚れるよー」
今日はよく遮られるな…。と思いながら、耳に嫌々ながらも入ってくるのは、周りを囲んでいる生徒からのヤジ。
…どう聞いても私への悪口なんだが…。
自分も好き好んでこんな変装しているわけじゃない。と小夏はムッとして、ざわざわと煩い周囲を睨んだ。
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