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俺達を囲むチワワ共から聞こえてくる、転校生への非難の声。それを睨み返して黙らせた転校生の駒宮夏樹。
因みにオタルック。
うをぉ~~~っ!!やっべぇ、興奮する!
俺の心臓は目の前で起こっている現状に興奮して、ドクドクと高鳴っていた。
「あの。貴方もいい加減、離してくれないか?…俺は早く朝食が食べたいんだが。後、何で俺の名前を知っているんだ?」
男にしては高い、まだ声変わりをしていない声。シュウちゃんの腕の中にすっぽりと収まってしまうほどの身長。
怪訝そうに眉を寄せながら俺に話しかけてきた転校生の顔は、前髪が長くてよく見えないが、恐らく美形。
条件にピッタリ。
「あぁ、ごめんごめ~ん」
パッ
そう言って俺が手を離すと、そう簡単に離すとは思っていなかったらしい。シュウちゃんがより一層怪訝そうに眉をひそめた。
ひどいなぁ。
「俺の名前は湯月朔夜。どうして君の名前を知ってるかって言うとねぇ~、俺がもう一人の寮長だからだよ~ん♪」
そう、俺は面倒だけど寮長。でも、それで結構、特をしてるから嫌ではない。
それを聞いた転校生は一瞬、眼鏡の奥の目を大きくすると、次には俺に軽く頭を下げてきた。
赤っていうのが微妙だけど、眼鏡もいい。
「!そうか……。先程は失礼、挨拶がまだでした。ご存知と思いますが、先日この学院に転校してきた、中三の駒宮夏樹です。寮長、以後お世話になります」
くぅ~っ!!敬語キターーーっ!!
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