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「あぁ、問題ない。直ぐに解決する」
「…そっか」
なでなで…
小夏が答えると峰岸は安心したように少し笑ったが、頭を撫でる手は止まる様子がない。
しかし、小夏はこの短時間で峰岸の予測不能な行動になれてしまっていた。
それに、元々スキンシップは好きだ。
注意もせず、気が済むまでそのままにしとくことにした小夏は、悪寒を感じてふと、目線をずらした。
ゾクッ
(何か凄くニマニマしてるんだが…病気か?)
その先には、こちらを凝視しながらニマニマと厭らしい笑みを浮かべる湯月の姿が。
関わらない方が安全と判断した小夏は、お腹が減っていたのを思い出した。
「峰岸、ご飯を食べないか?腹が減った」
「……ん」
コクリ
頷いた峰岸に先導してもらい、二人は野次馬?を掻き分けて、小夏はメニューの前に立った。が、
「フォラグア…キャビア…トリュフ…」
聞きなれない単語のオンパレード。
取り敢えず、朝は和食と決めている小夏は、焼魚定食を頼むことに決めたから問題はないものの…
誰が食べるんだ?そんな高級なの…
学食で食べるもんじゃないだろ。思いながら、生徒カードを峰岸に言われた通りに機械にかざした。
ピー
「おぉ!」
機械的な高い音が鳴り、機械から番号のついた白い札が出てきた。プラスチックでできていて、どうやらこれと交換で食事が渡されるらしい。
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