学校につきまして

3/7

658人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
  窓から外を見れば、凱旋門(見たこと無いけど)のような門の扉がギギッと音を立てて開く。 「何処ここ…日本…?」 「?ここは閏月学院の外交門。勿論、日本国内で御座います」 東京とは恐ろしい…こんな門が平然と立っているとは… 当たり前のように少し首を傾げて答えた穣を横目に、小夏は既に家に帰りたい気持ちで一杯だった。 「では、小夏譲。こちらにお着替えください」 「あ、は…ぃ………え?」 手渡されたのは赤に黒の線が入ったネクタイに、黒ベースの胸元に金色で何かのマークが入ったブレザー、因みにズボン。…どう見ても男物である。 「あのこれ…」 「あぁ、こちらを忘れておりました」 そう言って持っている制服の上に置かれたのは、赤縁眼鏡と黒の鬘と黒のカラコン。 「……どう言うことですか?」 「春斗様と小春様の御命令で御座います。春斗様からは男装を、小春様からは変装の方を申し付けられました」 (何 考 え て る !!) 娘にこんなことさせて何が楽しいんだあの二人!!本当に面白いから転校させたんじゃないだろうな!? 両親への苛々が更に募っていくのが分かったが、他の服は無いらしい。小夏は仕方無く、別の一室(どうなってるんだこの車)で着替えることにした。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

658人が本棚に入れています
本棚に追加