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窓から外を見れば、凱旋門(見たこと無いけど)のような門の扉がギギッと音を立てて開く。
「何処ここ…日本…?」
「?ここは閏月学院の外交門。勿論、日本国内で御座います」
東京とは恐ろしい…こんな門が平然と立っているとは…
当たり前のように少し首を傾げて答えた穣を横目に、小夏は既に家に帰りたい気持ちで一杯だった。
「では、小夏譲。こちらにお着替えください」
「あ、は…ぃ………え?」
手渡されたのは赤に黒の線が入ったネクタイに、黒ベースの胸元に金色で何かのマークが入ったブレザー、因みにズボン。…どう見ても男物である。
「あのこれ…」
「あぁ、こちらを忘れておりました」
そう言って持っている制服の上に置かれたのは、赤縁眼鏡と黒の鬘と黒のカラコン。
「……どう言うことですか?」
「春斗様と小春様の御命令で御座います。春斗様からは男装を、小春様からは変装の方を申し付けられました」
(何 考 え て る !!)
娘にこんなことさせて何が楽しいんだあの二人!!本当に面白いから転校させたんじゃないだろうな!?
両親への苛々が更に募っていくのが分かったが、他の服は無いらしい。小夏は仕方無く、別の一室(どうなってるんだこの車)で着替えることにした。
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