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「お仕事なかなかないのね~。」
アンジェのお母さんは心配そうに言う。
「アンジェが働いてくれれば家庭が少し楽になると思ったんだけど…ごめんね~。」
お母さんは申し訳なさそうな表情で謝った。
「気にしないで、きっと神様がすごくいい仕事を与えるためにゆっくり選んでくれてるんだよ。」
アンジェはニカッと笑いお母さんにVサインを見せた。
とは言っても、本人が一番焦っている。
アンジェは気を紛らわすために新聞に挟まっているチラシをあさった。
するとチラシの束からひらりと一枚一回り小さい紙が落ちた。
母親はそれを手に取って読んだ。
「あら、“メイド・執事求む”ですってよ?」
お母さんはキラキラした目でそのチラシの詳細に目を通した。
「メイドぉ!?喫茶店とか?『お帰りなさいませ♪ご主人様☆』って言うの嫌だから。」
表情を変えずにモクモクとチラシをあさる。
「あら、『家事全般出来る方大歓迎!』ですって。」
アンジェの手がぴたりと止まる。
「しかも『高額報酬』…」
と言いかけたとたん、アンジェは母親からそのチラシを奪い取った。
「場所は?!場所!」
アンジェはチラシに釘付けになり、母親は横から盗み見をする。
「あら?」
「お母さん、知ってるの?」
地理の弱いアンジェには住所を見ても分からなかった。
「お母さんも住所は詳しくは分からないけど…ほら」
そう言って指指す先には“アンジェリーナ邸”という名前。
「アンジェ覚えてない?小さい頃によく連れて行ったのよ?ほら、広ーい綺麗な丘の上の先にあった…」
「あ…」
アンジェの頭の中に小さな頃の記憶が過った。
気持ちの良い風が吹き、青空と緑色の丘の先に立派な豪邸が建っていた。
あそこに行くと、まるで別世界に来たような気持ちになって好きだった場所だ。
「…ってあそこ!?人住んでたの??」
「驚く場所が違う!!」
「ねー!ご飯はぁ?!」
という経緯。
分かったかな?
大雑把すぎて分からなかったら作者に聞いてね(笑)
片道2時間ほどの旅。
だいぶ田舎道だが、町の空気より断然美味しいのが嬉しい。
しかし、見慣れない土地を歩いていると不安になる。
キョロキョロ辺りを見渡した。
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