6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
アンジェリーナ邸を目の前にしたアンジェ。
名前こそ親近感はあるものの、外観は近寄りがたいものがある。
アンジェは大きな門を開けた。
ゆっくりと敷地に足を踏み入れたが、庭も計り知れないほど広い。
庭に植えられた植物は隅々まで手入れされていた。
「ここもやることになるのかな?」
ぼーっと眺めていると、奥で花壇に植えられた花に水をあげている人がいた。
髪は透き通るような金色の髪で、腰まで伸びた長い髪は一つに結われている。
(男性…?)
可愛い顔立ちのため女の子にも見えてしまう。
優しい表情で花に水をあげている少年。
アンジェがじっと見ていると、彼はその視線に気がついた。
「…君は…?」
アンジェははっと我に返った。
「あのっ…私、アンジェリークと言います!今日は面接を…」
と言いかけると、少年はパッと明るい表情になった。
「君がアンジェリーク?待ってたんだよ!さ、早くこっちこっち。」
少年はアンジェの手を掴んで誘導した。
アンジェは驚きと緊張と手を掴まれてドキドキしており、考える有余がなかった。
その状態のまま、お屋敷の中に案内された。
「ルヴァ様ぁーっ、アンジェリークが来ましたよー。」
少年はアンジェの顔を見てニコッとした。
アンジェはつられ笑い。
最初のコメントを投稿しよう!