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ルヴァは目をパチクリさせている。
「えぇ、はい。」
「私、ここでメイドの仕事をするために来たんですよ?」
「えぇ、そのように伺っておりますよ?」
「今日はその面接をしに来たんですけど…」
アンジェが言い終わると、ルヴァは何かを思い出すような仕草をした。
「でも確か…先程、主(あるじ)から連絡が入ってですねー、『アンジェリーク・フランという新しいメイドが来る』と伝言があったんですよ~。」
「僕もそう聞いてるよ。」
少年もアンジェを見ながら言った。
「でっ…でも、荷物とか何も…」
アンジェは急な展開に就職先が決まったという実感がなかった。
「それでは…荷物は明日にでも取りに行く時間を作りましょうかねぇ。」
「うん、そうしようよ!今日は疲れてるでしょ?ゆっくり休んでよ。」
少年はニコニコと返事を待っていた。
「…じゃあ…そうさせて頂きます…」←笑顔に負けた
「やったぁ!」←勝った
少年はうふふ、と笑っていたかと思うと、急にアンジェの目の前に向き直った。
「遅くなったけど、僕の名前はマルセル。よろしくねっ。」
ニコッと笑うマルセルに対し、アンジェはまたまたつられ笑い。
この笑顔には誰にも敵わない…。
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