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目の前に子供が二人いる。
一人は倒れていて、一人はそれを見下ろしている。
刹那、それを見たくないという想いと、
それを見ろという命令が来る。
想いも命令も自分からのもの
ならば選ぶ権利も自分にあるはず
それなのに、命令に従ってしまう。
あれはおまえの罪で、これはお前の罰だ。
忘れるな、忘れるな、忘れるな、忘れるな!!頭に直接声が響いてくる。
倒れている子供の口が動く、目をそらせない
『――――――――』
何を言っているのかはわからない。
ただ、その言葉を私は―――知っていた。
がばっと顔を上げる、そこは教室の中で日常の風景が広がっていた。
夢見は最悪で気分も悪い。
なんともなしに顔を窓に向ける。
そこには、桜が咲いていた・・・
窓をのぞいても見えるのは一面の桜の絨毯、春夏秋冬変わることのない景色で風情も何もあったものではない。
こんなものいらないのに。
そんなことを思いながら私こと御神楽 桜火は現状を把握しようとしていた。
教卓の前では沢井が何やら騒いでいるどうやらクリスマスパーティー関連のことで切れているようだ。
そういえば、出し物が決まっていないからといって授業をひとつ潰して話し合いをするということになったのだった。
しかし一向に話が進んだ気配はない、主に四天王のメンバーが現況のようである。
沢井には同情する。
(・・・まああれだ無視するに限るなこういうのは)
私にとっては正直言って興味がないことである。
(どうせ杉並が面白おかしくしてくれるに決まっている)
こういったイベントは杉並に任せて置けばいいのだという考えが私の根底にあった。
現に杏や杉並が案を出しており皆それに乗り気である、ほうっておいてもそれなりに楽しめることだろう。
そう思ってもう一度窓の外をぼおっと見ていることにするのだった。
がしかし、人生はそう楽に行かないのが常である。
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