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「はいはーい、桜火が何か案があるようでーす」
「なっ!?」
隣の席で桜と同じような色をした髪が揺れていた
その表情を盗み見るとにやりと笑っている。
おのれ、貴様人のこと観察していたな、と視線で語れば
寝てるほうが悪いよねぇと視線で返される。
逃げ場など、始めからないのだ。
「あらそうなの?でも四天王の考えは正直信用できないわね」
四天王、それはこのクラスにいる問題児四人に当てて言われる称号である
杉並、板橋 渉、桜内 義之、そして私の四人は杉並の指示の元イベントごとにろくでもないことをやらかしていたために迷惑四人組としてその地位を確固たるものにしているのだった。
とはいえ、杉並以外はある程度ましである。ある程度は。
「まあまあ、意見を聞くだけでもいいんじゃな~い?」
またしても隣の席の女が無責任なことを言ってのける。
おのれ、私が何をしたというのだと考え、
(………何もしてなかったからか)
と納得してしまう私だった。
そして、それを聞いた沢井までもが、
「まあ、それもそうね。で御神楽意見は?」
「う、う~む」
ここで普通ならば、無視をしてしまえばいいのだ。が、しかし御神楽 桜火という男はお人好しで、まじめに考えてまじめな意見を言ってしまうのである。先のことをまったく考えずに、とは友人たちによる評価なのだが
「………喫茶店なんてどうだ、制服も揃えて」
他意は全くなかったむしろ慣れているからこそで、実家が喫茶店経営だっただけだ。
だから無難なものを挙げたつもりだった。
しかしそれは、ざわざわと波紋を呼び、そして
「いい…いいよ」
「だよな、女子のウェイトレス姿みたいしな…」
「ご奉仕しますとか言われたーい!!」
男子生徒達が妄想垂れ流しの発言を繰り返しだし、沢井の怒声が響く。
……何かいけない琴線に触れた様だなあと呆然とするしかなかったのであった
「では喫茶店に決定ということで」
何とか平静を取り戻した沢井が告げた。
結局、状況を悪い意味で面白そうだと捉えた杉並や杏の話術で喫茶店に決まってしまったのだった。
そして…
「代表は御神楽ということでいいだろう」
「そうね、発案者なんだし」
「なっ!?」
即座に行われた集計の結果は努力も空しく賛成多数反対1
「では代表は御神楽に決定ということで」
「・・・・・・・・・・・・」
こうして私のクリスマスパーティーの予定が決まったのだった。
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