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彼の二つの国の狭間で葛藤していたのだろうか?
恥とは彼のどこから出て来たのか?
どうしても、私も、テレビの評論家も、在日韓国人二世の重さが彼の創作活動の根底に死ぬまで、あったのだろうと思わざるおえなかった。
彼の遺言は正直、ショックだ。
私の中では、在日韓国人二世を売りにせず、フィクションを作り出していたから。
しかしながら、ひょっとして、作品を評価される事は彼の救いにはならなかったのだろうか?
凡人には解らないあまりにも深い傷。
人事ではなく、私の中に差別から来る『恥』が根を這ってるとしたら…
私は除草剤で根こそぎ駆除する。
私に『恥』を駆除する勇気をくれた、つかこうへい氏が日本と韓国の間の対馬に散骨してくれと遺言で残していたけれども、でも堂々と日本にお墓を作って欲しい。
何故なら、彼の多くの作品は又多くの日本人を感動させたからだ。
彼の中の葛藤は作品を通して多くの日本人に共感されている。
彼の悩みは普遍的な悩みにまで昇華されている。
ただ、彼は一個人として自分にどこまでも、どこまでも誠実で謙虚な人間だった。
『祖国』など死語に近い言葉が彼を創作へと駆り立てたのならば、『祖国』について再考してみる価値があるかもしれない。
そこにも、人間の心を揺さぶる普遍的な感動があるのかもしれない。
つかこうへい氏は在日依然に素晴らしい作家だった。
゛在日゛なんて言葉は付録だ。
素晴らしい作品を残し、生きることの意味を教えてくれた、つかこうへい氏のご冥福を心からお祈りします。
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