第一章 陰陽力使い

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闇が深まり星と共に月が輝く。今夜は雲一つない夜空に、あたかも絵で描かれたような美しい情景が広がっていた。 そんな夜に怪しい何かが現れていた。まっすぐに続く道路で、不気味な黒い物体が蠢いている。その物体は人間の怒り、悲しみ、憎しみによってつくり出される妖怪である。 妖怪の姿はまるで蛙のように見えるが鋭い牙が生えており、体長は約ニメートル以上はあるだろう。 お腹を空かせた妖怪が猫の死骸を貪る。口元についた血が流れ、顎を伝って道路に垂れ落ちた。 その時、低い音を響かせて一台の自動車が妖怪に近づく。妖怪の異様な姿が車のライトに照らし出された瞬間、女性がハンドルを握ったまま悲鳴を上げた。 女性は慌てて急ブレーキを踏み、車を妖怪の前で停止させる。
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