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「葉月ちゃん、いつ終わるー?」
「これ?」
つまらなそうに読んでいたアニメ雑誌を閉じて、かまって欲しい目を向ける
私はこれに弱い。
すごく。凄く弱い
「締め切り明後日だからなー」
「今日には終わらせらんないのー?」
「無理っ」
「全くー余裕持ってやってもらわないと困るんだよ。葉月くーん」
「誰のモノマネ?おねぇさんに教えてごらん?」
多分、敬介(けいすけ)さんだと思う。
「つまんないよーどっか連れてってー」
「どこに?」
「んー。アニメイト!本店!!行った事ないの!!」
「お小遣いためておきなさいな。今のお金じゃ破綻するよ?」
現実を突き付ければ「うー」っと項垂れる。
姉妹というより、親子な気がしてきた
「じゃぁ、なんか話して」
「無茶ぶりだなー。
…有紗、勉強は?」
ふと気付けば、勉強せずにアニメディアを広げている
中学3年の有紗は、今年受験生。
不登校だろうが、引き籠りだろうが、
高校から新しい生活を送って欲しくて、
ちょっと町から離れた進学校を目指している
私の母校だったりもするから、こうして私が仕事をしている合間に勉強をしているのだが、
ゆったりのんびりアニメディアでヘタリアにデレデレな有紗の姿がそこにあった
「…何も話さなくて良かったです」
雑誌を閉まって、問題集に目を通す。
大人しくなったのを見て、私はパソコンに目を向けた
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