§第一章②§ 桜咲く季節

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「朋子ちゃんヒドイよ~」 卓間は泣き真似をしながら言うと 「だって私、卓間くんの名字知らないし!」 朋子はシラッと言い放つ… 「山本だよ!や…まもと」 ショボンとしながらアピールする卓間 「やまとー」 卓間は半べそ気味に俺に振る 面倒なヤツだと苦笑いしながら俺は実感した、これが朋子なんだよな…悪気は無いのだが… 好きは好き、嫌いは嫌いで興味が有る事は忘れないし取り入れようとするが興味の範囲しか取り入れない…欠点なのかもしれないが、今の様に時には武器になる つまり朋子は卓間の事を俺の友達で悪友とは認識しているが俺が”卓間”と呼ぶし呼んでいるから大和の友達で悪友の”卓間”でしかない訳だ… 思えば朋子が初対面で名字を覚えていたのはあの子だけだったなぁ… 「……あれ?」 あの子の名字はなんだったっけ…? 「どうしたの♪大和?」 朋子が問掛けてきた 俺は 「ああ、ほら?あの子の名字ってさ…何だったけか?」 「あの子?…って?」 朋子の表情が少し曇った… 俺は気にせず 「ほら…!!瑞穂ちゃんだっけ?幼稚園の頃さ俺ん家の隣に住んでた…」 ドクン… なんだ?ほんの一瞬?鼓動が高鳴った… 「……うん♪覚えてる!”結城”さん、結城 瑞穂さんだよ」 ドックン… ゆ・う・き・み・ず・ほ? その時…間違いなく俺の鼓動は高鳴っていた
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