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§第二章①§ まるで花梨の花が香るように
「お待たせしました…レモンティー、当店特製クマさんプリンです!」
「ごゆっくりどうぞ…」
もうバイトを始めて一月近くなる、最初はイヤイヤだったのだが馴染んできたのか口に出すのも恥ずかしい名前のメニューもスラスラと言える様になっていた…
何しろこのカフェの特製メニューには必ず”クマ”が入る…ここの店の外観はクマだしマスターもクマに似ていてる…落ちもバッチリだ!
「ありがとうございましたー」
レジをしていた朋子の声が響いた
「朋子、時間だし俺は先に帰るぞ!」
俺は言いながら更衣室に向かった
「あっ…私も一緒に帰るよ♪マスターお先に失礼します!」
俺は内心頭をかかえていたが最近はハッキリしていて俺を慕う朋子に安心感を抱いている自分に戸惑っていた…
ほとんど毎日の朋子と二人の帰り道、小中時代から続いているのだが…最近は何かが違っている様なきがした
今日は、いつもと同じ帰り道なのだが何か空気が違っていた…
「ねえ大和ってさあ、結城さんの事…考えてるでしょ?」
朋子の話しに上の空だった俺に朋子が問掛けてきた
「ん?ああ…」
本当は朋子の事を考えていた俺だが…誤魔化すように答えた
「…」
朋子は何かを考えているのか少し黙って空を見上げていた…
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