わがままな一人の女の子

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コツ、カチャ、コツ、カチャ、コツ、カチャ。 誰かが横から近づいてくる。 コツ、カチャ、コツ、カチャ、コツ、カチャ、・・・・・・・ 「やぁ、待った?.....」 「......え?」 (こいつだれ!? でもこれってチャンス?) 「.......、もうっ!! 待ったよ、ゆうたん♪」 すかさず、あたしは《いかにも》から逃げる口実を作ろうとした。 が、 「おぉーや? こんな細身の彼氏より俺みたいなマッチョのがよくねぇーかなぁ?」 パキポキポキ (ヤバい、助け舟が沈みそう!!) 勝手に即席で名付けた《ゆうたん》は、背は高いがあまり強そうではなかった。 おまけに何故か杖までついている。 「ごめんなさい、なんか巻き込んじゃって」と《ゆうたん》に耳打ちしたが 「大丈夫。ちょっと下がってて」 と言って、あたしを噴水のところまで走らせた。  
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