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その頃
ペタ…ペタペタ……
足音を僅かに鳴らし、小さな影が町を文字通り嗅ぎ回るように彷徨う
「ゲッゲッ……魔王様ったら、あの妖精のガキを確実に始末したか見に行けだなんて用心深いんだから……」
角を生やした小鬼のような姿のそれは大きな鼻をフンフン鳴らし、何かに気付いたように歩みを止めた
そこは「三ノ宮」と表札のかけられた家、つまりティルが今居る啓助の家だった
「見つけたぜぇ……やっぱり生きてやがったか!」
不気味にニィッと笑うと塀を軽々飛び越え家の中へと侵入していく
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