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歓声「キーング!!キーング!!キーング!!キーング!!」
キングである太牙に向けての信頼を、顕著に表す大歓声だ。
太牙「フッ……。闘う前にやる事があったな」
名護「?」
太牙がそう言うと、ジャンプして張り付けにされた恵の横に立つ。
士「貴様!」
太牙「大丈夫だ、傷付けるつもりはない」
太牙がそう言うと、恵の口をふさいでいた猿轡(ぐつわ)をはずす。
恵「プハッ…!!…ハァ、ハァ!!」
太牙「せめてもの情けだ。別れの言葉を言わせてやる」
名護「恵!!」
恵「名護くん!」
二人はお互いに叫ぶと、その後は二人ともただ無言で見つめ合う。(実際は名護は目が見えないので、見つめたのは恵だけだが…)
太牙「イクサ…!これが最期の会話になるかも知れんのだ!何か話さなくていいのか?!」
名護「勘違いしているようだな…。恵と話す事など何もない」
太牙「なに?」
名護「私と彼女の考えている事は、同じだからだ」
太牙「フッ……。戯言を」
太牙が鼻で笑うと、飛び降りて闘技場に着地する。
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