第三話・トラック1~キングの想い~

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歓声「キーング!!キーング!!キーング!!キーング!!」 キングである太牙に向けての信頼を、顕著に表す大歓声だ。 太牙「フッ……。闘う前にやる事があったな」 名護「?」 太牙がそう言うと、ジャンプして張り付けにされた恵の横に立つ。 士「貴様!」 太牙「大丈夫だ、傷付けるつもりはない」 太牙がそう言うと、恵の口をふさいでいた猿轡(ぐつわ)をはずす。 恵「プハッ…!!…ハァ、ハァ!!」 太牙「せめてもの情けだ。別れの言葉を言わせてやる」 名護「恵!!」 恵「名護くん!」 二人はお互いに叫ぶと、その後は二人ともただ無言で見つめ合う。(実際は名護は目が見えないので、見つめたのは恵だけだが…) 太牙「イクサ…!これが最期の会話になるかも知れんのだ!何か話さなくていいのか?!」 名護「勘違いしているようだな…。恵と話す事など何もない」 太牙「なに?」 名護「私と彼女の考えている事は、同じだからだ」 太牙「フッ……。戯言を」 太牙が鼻で笑うと、飛び降りて闘技場に着地する。
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