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「あぁ……まぁ…」
俺はやっと体を起こし、頭にのっている氷が入ったビニール袋を左手でとり、彼女に渡す。
「陽夜君さぁ、今日朝食食べた?」
彼女は受け取りながら、机から体温計を取り出す。
「………朝食?」
「そう、食べてなんじゃない?それか寝不足。」
「朝は………愛媛の婆ちゃんから送られてきたみかんがその辺にあったから……適当に食べて…夜は……まぁ遅いかな…」
綺麗な眉を歪ませ、養護教諭は溜め息をつく。
「育ち盛りの君たちがねぇ、朝みかんしか食べないなんて……はぁ…全く…」
椅子に座り、白魚みたいな手を額に当て、俗に言う“頭を抱える”的なポーズをとる。
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