1、学年一位

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その様子は、白衣を来ていなければ全くと言っていいほど養護教諭には見えない。変な色気もあるし。(これについては中等部の男子生徒、及び教職員からも定評がある※特にうちの副担任の広瀬から。) 高級ブティック等が立ち並ぶ銀座辺りをブランドもので着飾って、昼間っからぶらぶら歩いてそうなかんじだ。なんかお気楽な玉の輿にのった若い専業主婦的なイメージ。(マダムっつーの?若奥様ー的な) ……脚も無駄に長いし。(モデルにスカウトされたことがあるらしい※本人談) 三年前、彼女を初めて目にしたのは春も麗らか。心地良い陽気で眠くて仕方ない入学式だった。 この学園の超難関入試(と呼び声高い)を極めて優秀な成績で突破した俺は、面倒な事にも入学式で新入生代表なんやらの挨拶をしろと言われてしまった。 非常に面倒だ。何故俺が。 しかし優等生で高校卒業までの六年間を穏やかに過ごしたい、ならば馬鹿馬鹿しい事極まりないありきたりで何もかもに縛られたようなこの文面を全校生徒及び父兄及び教職員の前で読まなければならない。 こうして非常に馬鹿馬鹿しいスピーチを俺はいかにも“優等生”という顔を作り最後まで読み上げた。
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