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しかし、そんなに甘くないのが世の常らしい。どこをどう間違ったのか……。気付けば家事と学業に追われる毎日を過ごしている。
「くっそー! こんなはずじゃあ……」
朝食の洗い物をしながら、司は一人愚痴をこぼしていた。大学の入学当初は全てがうまく行っていた。
それが一変したのが入学して一ヶ月程たった頃だ。家事をさせられない伊織と、二人だけの生活を送るはめになったからである。
まさか伯父夫婦がスローライフなぞに興味があったとは……。伯父にしてやられたとしか思えない。
司が大学生活に慣れた頃を見計らったかのように、二人はあっという間に田舎に引きこもっていった。
下宿を申し出たのも、一人残される伊織──ではなく、伊織に家が荒らされないか──を心配しての事だったようだ。
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