tune2.

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「華ちゃん、来週にはAクラスから卒業して 戦闘部隊に所属するんだよね。」 「そうねー、早ければ今週末には。」 華は手作りの可愛らしいお弁当を、 由祢はコンビニで買ったパンを、 それぞれ口に運ぶ。 桜苗は頭の後ろで手を組み、 2人の傍に座っていた。 「そんな寂しそうな顔しないで、 これから寮に住むから仕事が無い時は会えるし それに由祢ちゃんが来るの待ってるから。」 「あたしが戦闘部隊になんて…無理だよ。 調律、出来ないし…」 「調律はコツを掴むまでは長いけど… それさえ分かってしまえば大丈夫よ。 それに、調律が出来なくても 見込みがある子ならAクラスに あげて集中的に見て貰えるもの。 ね、桜苗。」 「あぁ。」 華の言葉に由祢はパンを 口に運ぶ手を止める。 「あたしは…、」 「駄目よー、由祢ちゃん マイナス発言は!」 「んぐ…。」 華に卵焼きを突っ込まれ もぐもぐとひたすらに口を動かす。 「……由祢ちゃんに才能があるかないか、 周りの大人が決めることじゃないわ。 他人が由祢ちゃんのことを無能だって 決め付けたくらいで 由祢ちゃんの中に眠る才能は 錆び付いたりしないもの。」 「そーだよっ。 由祢まだ気にしてんのかよ! 華の言うとおりだぞ!!」
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