tune3.

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放課後、部活動に向かう生徒や 友人と娯楽を楽しみに行く者達を 尻目に由祢は足早に寮に帰っていた。 「…っはぁー」 制服のままベッドへ豪快にダイブする。 ふかふかの布団に体が沈み込んで行く 感覚が心地よくそのまま目を瞑った。 「(…あたしの才能は錆び付かない、?)」 「(錆び付く物が無いよ華ちゃん。)」 「(あたしがならなくても、調律師は、いっぱい、)」 どんどん否定的な考えに陥っていることに 気付いて急いで思考を停止する。 このことは考えても切りがないのだ。 「ううぅ……」 「なんだよ元気ねぇなぁ。 せっかく来てやったっていうのに。 あと前来たときも言ったが 鍵はちゃんと閉めとけ。 いつ何が起こるか分かんねぇんだから。」 聞き慣れた声に体を素早く起こし振り向く。 どこか目元や雰囲気が清志に 似ている青年が部屋の入口に立っていた。 「よっ。たいして久し振り、でもねぇか。」 「麻希(まき)兄!!」 由祢の顔が綻びる。 彼は逢沢敬志の息子で由祢の従兄弟にあたる 逢沢麻希だった。
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