tune4.

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「で、どうなんだよ。学校の方は。」 「んー、いつもどおり。」 「成績の事言ってんだ。」 「学生時代に全く勉強してない人に 成績の心配されたくない。」 由祢と同じ寮で暮らす調律師達に拘束され 2時間、さきほど俺はやっと開放された。 前回の仕事で破壊してきた呪魂の強さだとか どんな風に破壊しただとか、 それこそ質問の嵐で俺はくたくたになって ようやく由祢の部屋に戻って来た。 由祢はベッドに 俺は部屋の椅子に腰掛け、 1週間ぶりの言葉を交わす。 相変わらず生意気なその態度に少し安心する。 「言っとくが、俺も愛希(あき)も 調律学だけは真面目にやってたぞ。 それ以外はからっきし駄目だったけどな。」 「特に数学がね。」 「それはお前もだろうが。」 少し生意気過ぎる。 が、まぁこれもコイツの素のひとつだ。 クラスメートには常につっけんどんな 態度を取るせいで誤解されているようだが あれが由祢の本当の性格なんぞではない。 友人の華と話す時は良く笑うし、 俺と話す時なんかは生意気に 俺の揚げ足を取ろうとする。 大抵失敗して俺に逆ギレしてきたりと、 どこかコイツは子供っぽい。
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