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「…マスター、そのようになさるから
由祢様に尊敬されないのですわ。」
ふわり、と俺の横に女が現れる。
腰ほどまである青白い髪は氷を、
透き通る白い肌は死人のそれを
俺に連想させた。
「はは、わかってるっつーの。
可愛がってやってんだよ。」
「承知しておりますわ。」
「…んで?分かったのか?あいつらのこと。」
「先程、司様に報告をして参りましたの。
そのような能力を持つ調律師は
登録されていないとのことですわ。」
「…そうか。」
無法者か、それとも調律師ではない`何か'だったのか。
いずれにせよ、情報が少な過ぎる今は
様子を見る他無さそうだ。
火傷のようにただれた
右肩の肌がじくじくと痛む。
「…お召し物が黒で幸いでしたわ。」
「あ?」
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