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「お父さん!!」
死んでしまうのが、
居なくなってしまうのが分かった。
「お父さん!!」
目頭が燃えるように熱く
流れる涙も熱を持っていた。
「お父さん!!」
「大丈夫だから、あっちに行きなさい。」
立っているのが精一杯なのが
見て明らかだった。
彼女の父は、逢沢清志(せいじ)は
非常で非情なその言葉を叫ぶ。
「粉骨砕身!!」
途端、清志の足があらぬ方向に
勢い良く曲がる。
続けてぶちぶち、と筋肉が千切れる
悍ましい音が響き大量の血が噴き出して
そのまま清志は―――――
「いやああああああ!!!!」
「あ、逢沢。
そうか、俺の授業を受けるのが
そんなにいやか、はは。」
「…あれ?」
時は2060年、
場所は調律師(チューナー)養成学校―――
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