1339人が本棚に入れています
本棚に追加
それから程なくして俺は葵と別れた。
葵は、俺の気持ちが自分にないことに限界を感じ、葵から別れを告げられた。
そう仕向けたのは俺。
俺からだと葵も吹っ切れない部分が残るだろうし、自ら別れを告げる事で葵は葵のプライドを守れるだろう。
それからまた少し経った頃、葵と直樹は付き合い出す。
俺は直樹の気持ちも知っていたし、2人が付き合う事には自分でも驚くくらい抵抗がなかった。
だが直樹は違った。
直樹はあからさまに俺を避けるようになり、その不穏な空気は家全体にも及んだ。
ある日、どこかで飲んで来た親父が帰るなり俺の部屋に訪ねて来た。
「なぁ、隼人。お前少し家を出ないか? その方が直樹にも隼人にもいいと思うんだ」
親父の申し出は正直助かった。
だから二つ返事で了承した。
.
最初のコメントを投稿しよう!