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「そしたらな、じぃさんが飲み代を父さんが払う代わりにお前を預かってもいいって言うんだ」
「……あのなぁ。どこのどいつか分からないじぃさんの所へ俺に行けって言うのか?」
俺は親父を睨む。
知らないじぃさんの所へ行くくらいなら親戚の方がまだマシだ。
「身元はきちんとしている。じぃさん飲み屋の常連で、大将が言うにはじぃさんの家一帯の大地主らしいんだ」
「そういうんじゃねーだろ。金持ちだろうが貧乏だろうが、素性が知れないのは同じだろ?」
「だがな、隼人。もう約束してしまったんだよ。お前と同じ年のお孫さんがいるんだが名目上は許婚って事で一緒に暮らすっていう約束をさ」
許婚だぁ!?
この親父、頭沸いてんじゃねーのか!!?
怒りというより呆れる感情が湧く。
だが次の親父の言葉を聞き、俺の感情は一転した。
「そのじぃさん、桐島さんって言ってだな。お孫さんの名前は確か……そうそう、蓮香ちゃんだ! 蓮香ちゃんは何とあの白華学園に通ってるんだよ!」
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