俺がアイツを好きな理由〈ワケ〉

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「……ねー。ねーってば! 聞いてる?」 「あ? 聞いてねー」 「ひっどーーい」 最近付き合い始めた葵が、俺の腕に絡みついて顔を膨らませている。 それもキスを落とせばすぐに直る。 付き合う女や俺に近付いてくる女は、どいつも同じ反応をする。 退屈だ。 「あたし、髪伸びてきたでしょ? 隼人、髪長い方が好きだよね?」 誇らしげに言う葵。 テキトーに話した俺の好みを真に受けて、俺好みになろうとする女は葵だけじゃなかった。 そういう女はバカで可愛いとは思う。 「そうだな。似合ってる」 葵の髪に指を絡ませ微笑めば、葵は嬉しそうに眼を細めた。 ……ホント退屈だ。 .
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