俺がアイツを好きな理由〈ワケ〉

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冬休み。 雪がちらつき、肌をさす寒さの中。 俺は瑞穂に誘われて出掛た。 「最近、葵と上手くいってねーんだろ?」 勘のいい瑞穂には、話さなくてもバレている。 「知ってて誘ったのか?」 瑞穂の考えは読めた。 こんな寒い中、男と遊んでも面白みなんて何もない。 逆ナン目当てで俺を誘った訳か。 「まーねー。女は葵だけじゃねーじゃん」 瑞穂はピースを手で作り、何度か折り曲げた。 「ったく。お前、桜高の女と付き合い出したばっかじゃん」 「あ、あれ。もう終わったー。なんつーか、頭悪ぃんだよ」 「お前が言うな」 突っ込むと瑞穂は大口を開けて笑った。 それから当ても無く歩く。 街を歩けば、何人もの女に声をかけられる。 別に珍しいことでもない。 声をかけられて悪い気はしないが、気が乗らない。 瑞穂は誘われるがままに着いて行こうとするが、その度に俺は適当に断った。 「隼人~。いい加減決めようぜー! 次! 次に可愛い子だったら俺は絶対に引かねーから」 .
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