俺がアイツを好きな理由〈ワケ〉

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「あーもー、一旦休憩! 腹減ったし、どっか寄ろー」 瑞穂が頭の後ろに両手を置いて根を上げる。 一旦って、まだ続ける気かよとうんざりしながらも、飯を食うことには賛同した。 黄色い看板のハンバーガーショップがすぐ傍にあり、俺と瑞穂は入る。 「いらっしゃいませー!」 元気な声が飛んでくる。 丁度昼時の今、沢山の客がカウンターの前で列を成し、俺達は最後尾に並んだ。 ゆっくりだが少しずつレジに近付いて行く。 スムーズに進んでいたのが、店員らしい女の声がしたのと同時に止まってしまった。 「あの、お客様。……困ります」 「えー、いいじゃん! 別に電話番号教えてって言ってるわけじゃねーし。バイトが終わる時間教えてって言ってるだけだろ~?」 「そーそー。客の要望には応えねーとなー」 このやり取りで、どっかのバカが店員に絡んでいることが窺えた。 .
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