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「食べないの? なら私が食おっと」
一向に食べる気配を見せない僕にソラはそう言い、フォンダンショコラが乗った皿を自分の前に引き寄せて食べはじめる。
「すっかり暗くなっちゃったね。私のアパートはすぐそこだから」
店を出た時には夜空には星が浮かんでいた。
やっと甘い物づくめから解放され、ほっと息づく。
ソラのアパートに着き、荷物を置くとソラは僕をアパートの屋上に誘う。
「ワイン持って行こっか」
シートを僕が持ち、ワインとグラスをソラが持ち、鉄の階段を登って屋上に出る。
シートを敷き、ワインをグラスに注いでグラスを合わせる。
「乾杯」
グラスの音が響く。
「ここから見る星、最高でしょ? 研究所から帰って来たら、ここでしょっちゅう望遠鏡で空を眺めてんだ」
ソラは上を向いて夜空を眺めるから、僕も倣って空を見上げる。
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