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「今もアメリカに来たこと後悔はしてない。でも、でもね……。あの空の彼方にある宇宙の謎より、私の心は総司を追い求めてるの!」
ソラの悲痛な声が、澄み渡る夜空に吸い込まれる。
その声は僕の胸を打ち、ソラを抱きしめずにはいられなかった。
ソラの細い肩は震え、研究と僕への気持ちの間で押し潰されそうになっているんだろう。
「ソラ。ソラ聞いて」
ソラは僕の背中に手を回し、服を掴んで何かを耐えているよう。
そんなソラに優しく語りかける。
「ソラが望むなら、僕はキミを掠って行くよ」
ソラの肩がピクリと揺れる。
「でも、ソラには捨てられない、捨てたくない夢があるだろ? 僕はそれをソラから奪いたくない」
僕にも夢があるから。
その夢を他人に……例え、この世界で1番に愛しい人であっても、奪われてしまったら一生後悔して生きて行くことになるだろう。
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