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俺は身体を傾けてその様子を見た。
あれは……!?
「おい、瑞穂。あれ三木と橋本じゃね?」
絡んでる男の方。
カウンターに肘をついて横顔が見え、それが同じクラスの奴らだったから驚き、瑞穂の肘を突く。
「うっそ!? マジ? あー、マジだね。知り合いとか思われんの恥ずかしいからほって置こ」
俺は瑞穂の意見に短く頷く。
女を助ける義理もなければ、何より余計な事に首突っ込むなんて面倒臭い。
俺と瑞穂は客の後ろに隠れ、ただ順番が回ってくるのを待った。
「ねーねー、いつ終わるの~?」
「あの、ですからお客様。そういった事は困ります~」
「いいじゃん、いいじゃん」
面倒臭い。
だけどこの耳障りなやり取りをいつまでも聞いているのはいらつく。
その時だった。
バフッ!!
何やら不穏な音がした。
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