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お茶に誘ってはみたものの、どうすればいいのでしょう?
ただでさえ緊張していますのに……。
明らかに見切り発車ですわ!!
どうしましょう……どうしましょう……。
雅をこっそりと見遣ると、紅茶の芳しい匂いを楽しむようにリラックスして飲んでいる。
わたくしもリラックスですわよね!!
雅に倣って紅茶を飲んでみる。
「あつッ!!」
「お嬢様!?」
勢いよく飲み過ぎてしまったようで、舌に刺すような痛みを覚える。
そんなわたくしに雅が駆け寄る。
「申し訳ありません! 私としたことが、紅茶の温度の確認を怠っていました」
雅の所為じゃないのに、本当に申し訳なさそうに謝り、ナフキンを差し出してきた。
「大丈夫です。わたくしの不注意ですから、頭を上げて」
ナフキンを受け取り、口許を拭く。
雅はまだ気に病んでいる顔をしている。
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