恋する乙女・東雲里緒菜~ふしだらな女と呼ばせませんわ!~

6/28
前へ
/136ページ
次へ
お茶に誘ってはみたものの、どうすればいいのでしょう? ただでさえ緊張していますのに……。 明らかに見切り発車ですわ!! どうしましょう……どうしましょう……。 雅をこっそりと見遣ると、紅茶の芳しい匂いを楽しむようにリラックスして飲んでいる。 わたくしもリラックスですわよね!! 雅に倣って紅茶を飲んでみる。 「あつッ!!」 「お嬢様!?」 勢いよく飲み過ぎてしまったようで、舌に刺すような痛みを覚える。 そんなわたくしに雅が駆け寄る。 「申し訳ありません! 私としたことが、紅茶の温度の確認を怠っていました」 雅の所為じゃないのに、本当に申し訳なさそうに謝り、ナフキンを差し出してきた。 「大丈夫です。わたくしの不注意ですから、頭を上げて」 ナフキンを受け取り、口許を拭く。 雅はまだ気に病んでいる顔をしている。 .
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1339人が本棚に入れています
本棚に追加