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屋上からぐるりと辺りを見渡し、動く影を探す。
もちろん、一番高いビルを選んだ為に景色はよく―――
「いた!」
シバを見つけるには最高の場所だった。
彼女は素早くスコープの倍率を上げ、スナイパーライフルを構える。
火器に秀でた彼女は、わざわざ腹ばいにならずとも銃口をブレさせずに発砲が可能である。
右の人差し指をトリガーにかけ、左手で銃を支える。
スコープには、キョロキョロしながら走るシバの姿。
「見敵必殺!な~んてね」
おどけた口調で躊躇わずに発砲。射程ギリギリの目標を目掛けて銃身が唸り、炸裂音を小さく零す。
「!!」
シバは犬型な為、特徴に嗅覚と聴覚が神姫の中で秀でている。
僅かな炸裂に反応し、視線を持ち上げた。
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