傘/雅

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今日、病院に居る白蘭に 俺が向日葵をあげた 向日葵はとても綺麗だった… だから、電話したんだろう… ありがとうって云いたかったんだ 「雅、ありがと」 「何が?」 「綺麗だね…薔薇」 〈俺があげたのは向日葵だったハズなのに…〉 「薔薇は何色?」 「赤だよ…赤い雨が降ってるの」 〈ぽたぽた、ぽたぽた血が落ちる〉 「雨…何処から降ってる?」 「手首?」 「なら、医者に傘をもらっておいで」 「はーい うん…また明日…」 「バイバイ」 今日、病院に居る僕に 雅が向日葵をくれた 向日葵はとても綺麗だった… だから… お前はお前を壊した 綺麗なモノなど要らない
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