第一章

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ご主人様かぁ~。 僕は今はもう会えないご主人様と、離ればなれになったご主人様の息子ツトムくんを思いだした。 ん?どうしたのアンタ。急に大人しくなってさ。 ころろちゃんが顔を覗きこんできた。 いや、なんでもないって。 僕は照れ笑いでごまかした。 ねぇ、なんで大阪ってとこに行かないで北海道なの?大阪ってもっと遠いの? ころろちゃんが、アンタってホント知らないのね、と笑いながら話してくれた。 ころろちゃんの話しでは、以前はちぃー姉様と一緒に、何度も大阪の彼氏の家に遊びに行った事があり、大阪まで車で2日だったので歩いても10日ほどだと思ったらしい。 でも実際はかなり大変だったらしく、大阪まで2ヶ月はかかったそうだ。 北海道はさらに遠く、大阪から北に3ヶ月も旅を続けて来たらしい。 旅の道中では様々な危険や障害があったらしく、その事は詳しく話してはくれなかったが、ころろちゃんのたくさんの傷痕を見れば予想はつく。 ところがね。 ころろちゃんの話しは続く。
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