第一章

11/15
前へ
/33ページ
次へ
私がやっとの思いで大阪の家にたどり着いたら、家には誰もいなかったの。 どうやら結婚した後に社宅からまた引っ越ししたらしいの。 その後もころろちゃんの旅は続いた。 その後の話しはこうだった。 ころろちゃんは福岡の家族の待つ家に帰らず、生まれ故郷の北海道に足を向けたんだ。 北海道のオホーツクの田舎街で産まれたころろちゃんは、ちぃー姉様の妹のあや姉様に育てられ、その後ちぃー姉様にもらわれて行ったんだって。そんな訳もあって、あや姉様にも会えるし、ちぃー姉様の引っ越し先もわかるってコトで北海道に来たらしいんだ。 どうやら福岡から大阪に旅をした経験と実績でいろんな自信をつけたらしく、北海道に行く事に迷いはなかったらしい。 僕はころろちゃんの行動力と意志の強さに、驚き以上に感動と羨ましさがあった。 僕のパパはご主人様の慎吾さんと一緒にいろいろな大会にでるために、北海道の内外に出かけていた。僕も大きくなったらパパや慎吾さんと旅に出て大会に出たかった。 今となってはもう叶わない夢だけどね。 すっかりころろちゃんの話しに夢中になり、気がついたら夜になっていた。 ころろちゃんは今日も野宿だと思って覚悟していたようだけど、僕は自分の家を貸してあげたんだ。 ころろちゃんは満腹感と旅の疲れですぐに寝てしまった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加