第一章

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きゃ~っ! 突然の悲鳴で僕は飛び起きた。 昨日はころろちゃんに家を貸してあげたから、僕は犬小屋の陰の方で寝てたんだ。 そうしたら突然の悲鳴。 あの声はころろちゃん。 僕は急いで小屋の入り口に向かった。 僕の家は安全だと思っていたのにと、油断した自分を責めた。 小屋の入り口には、おばあちゃんがいた。 どうやらころろちゃんを不審な子犬だと思ったらしい。 一応首輪はついているが野良犬に見える。 ころろちゃんは首根っこを捕まえられ、ひょいっと持ち上げられていた。いくら暴れても逃げられないだろう。 ヤバい、明らかにころろちゃんは野良犬に見える。保健所とは名ばかりの監獄に連れていかれ、一週間で処刑される。 僕は懸命に吠えた。おばあちゃんにちゃん伝えなきゃ! それでもおばあちゃんはころろちゃんを放さず、家の中に入ってしまった。 家の中ではどうやらおじいちゃんと相談しているらしく、話し声が聞こえたが何を話しているかまでは分からなかった。 僕はころろちゃんの安否がきになり居ても立ってもいられなかった。 それから半日、いや実際には2時間くらいか、やっと玄関の扉が開いた。
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