第一章

13/15
前へ
/33ページ
次へ
玄関から出てきたのはおばあちゃんだった。 腕のなかにはふわふわした白い物を大事そうに抱えていた。 僕は少しの間にぽかんとしていたのだろう、いかにも間の抜けた顔して。 ダイ、アンタなんて顔してるの?くち開いてるわよ。 おばあちゃんの腕の中から声が聞こえた。 はっと我にかえって、思わず僕はつぶやいた。 ころろちゃん綺麗…… (*´∇`*) ころろちゃんはすっかり変わっていた。 ふかふかの毛並みは高級な毛皮の様で美しいパールホワイトだった。 まさに真珠だ。光のあたりぐわいではプラチナのように輝いてる。以前の、どぶネズミの様だった毛並みはいまは見る陰もない。 ぺしゃんこだった毛並みがふわふわしたからか、小さい傷は隠れて以前より随分美人さんに変身していた。 どう?キレいになったでしょ?ダイのおばあ様がシャンプーしてくれたのよ。 ころろちゃんは腕の中から飛び降りると一言吠えた。 おばあちゃんにお礼を言ったみたい。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加