第一章

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一週間ってずいぶん食べてないね!?どうしてなの?ご主人様からご飯もらえないの? 僕は彼女が主人に嫌われ、家出してきたのだろうかと思った。 違うわよ。 彼女はちょっとむっとしたようだ。 私、今ね旅してるの。 ここ北海道に来てから何も食べてなかったの。 さすがにここまで遠かったわ。 彼女は満足な食事ができ、少し落ち着いたようだ。 僕がなぜ旅をしているのかと聞くと少し和らいだ口調で話し始めた。 今、私は九州の福岡に住んでるの。 そこで、ご主人様のちぃー姉さま、妹のれいちゃん、ちぃー姉妹のパパとママ、それにおばあちゃんと暮らしてたの。 彼女にちゃんとご主人様も家族もいると知り、僕は安心した。 でも、なぜご主人様や家族がいるのに家を出て、旅をしてるんだろう? 僕は不自由のない暮らしをしていただろうと考え、旅立った理由を不思議に思い聞いた。 それがね。 彼女はちょっと寂しげに語った。 実はね、半年位前にちぃー姉様が結婚したの。その時にちぃー姉様が引っ越しして大阪に行く事になったんだけど、その時にはぐれちゃったの。 で、しばらくはパパ達と暮らしてたんだけど、電話でちぃー姉様の声を聞いたら会いたくなって、大阪に行ったの。 彼女の行動力には驚いた。まだ小さいのにすごいね、ころろちゃん♪(^0^ )
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