タイムトラベラーズ

「おはよう。今日はまず出席とって、それが終わったら、並んで体育館へ行って終業式だ。

一学期の締めくくりの大事な行事だ。ぐーすか寝るなよ。

それから教室に戻ったら、皆が楽しみにしてる通知表配るからな。」

「誰も楽しみになんてしてないって～」

真っ先に答えたのは、ユーキだった。

なぁ、と教室中を眺めた。

「ま、でもおれだったらオールＡっていうのもあり得るなぁ」

ふふん、と得意気に頷く。

「ん？
ユーキ、お前の成績はな…」

石井が教卓の上に置いた、出席簿や、成績に関することが書かれているだろうと思われる、分厚いノートを探り出した。

「だーっ！ウソです、ウソです!!
皆の前では言わないで下さいぃ」

ユーキは成績が公表されるのを阻止しようと、慌てて立ち上がりブンブン手を振り回した。