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そのあまりの必死さに、
どっ、と教室中に笑いが起きる。
石井も一緒に大きな口をあけ豪快に笑っていた。
こんちゃんは、さっきのユーキとマー子の様子が気になり、ちらりと視線を後方へ向けた。
ユーキはまだたったままで照れながら笑っていた。
マー子は、その彼を、しょうがないヤツ、とでも言うように微笑んでいた。
いつもの二人を見たこんちゃんは、ほっと、胸を撫で下ろした。
しばらくするうち、石井が出席をとりはじめた。
「うちだー」
「はーい」
教室の窓側のすみに座っていた内田が軽く手をあげ、いかにも退屈そうに返事をする。
その間も生徒たちは近くにいる友達に喋りかけ、教室中はざわつきっぱなしだ。
石井もまぁ大目に見ようと、周りのせいで声が小さく、聞き取れなくなってしまった者には、もっと大きな声で、と注意しただけで済ませた。
そんな感じで6年2組の朝礼の時間は過ぎていった。
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