⏳ 10年前… ⏳

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ふっと気付くと夕暮れだった。 「寒いな…」 少しひんやりした風が通る。 「!?智美!智美は!!」 回りを見渡した。 道路には、智美の血痕がない。 それどころか、智美を抱き抱えた俺の手は智美の血がついていなかった。 「なんだ…これ…」 何故だ? あんな事故が起きれば救急車や警察、野次馬が集まるはずだ。 だが、ものけのがらだ。 すると、自転車に乗ったおばさんが向かってくる。 「あっ!あの…ここで事故起きませんでしたか?」 「事故?さぁねぇ~ごめんなさいね。わからないわ」 そう言っておばさんは去っていた。 「家に帰るか…」 ここに居ても仕方がない、帰ることにした。 その時だ。
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