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だが、なぜ男がそんな事を言ったのかは分からない。
そんな事を考えているうちに頭が再び痛んだ。
「どうしよう……動けない……」
「パパ! ママ! 助けてー!」
その声は大きく工場内に響き渡った。
だが誰もいない工場から声が返ってくるわけもなく俊二の声だけが虚しく響いた。
自分は誰かに誘拐されたんだ。
今の状況を考え始めるとふいに悲しみがこみ上げてきた。
「う、うう、ううう~~……!」
俊二の泣き声もまた工場に響き渡った。
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